エキスについて

エキスについて

エキスとは、動物性や植物性の素材から味、香り、風味などに関わる成分を抽出したものです。その中には、水溶性成分のみ抽出されたものも含まれ、一般には「だし」と呼ばれます。エキスの製法には、さまざまな方法があります(下表参照)。水溶性以外のものを含むものもあり、より複雑な味を持ち、それが大きな特徴となります。当社のエキスは、自己消化酵素を最大限に活用した、「分解型」となります。

製造方法 特徴
抽出型 熱水抽出 いわゆる「だし」で水溶性の旨味成分を抽出する方法。上品な味・風味が得られる。
水産加工品のボイル処理時に出る煮汁を濃縮する方法。高濃縮品は呈味性が強い。
分解型 酵素分解 酵素添加 工業的にタンパク質分解酵素を添加してタンパク質を分解する方法。原料特有の味・風味を残したエキスをつくることができる。又、酵素の種類を選ぶことで、特徴の違うエキスをつくることができる。
自己消化 原料自体のタンパク質分解酵素を利用する方法。原料特有の味・風味を残したエキスをつくることができる。多くの酵素が作用するため、様々なペプチドが生成され、味の深み、厚みが出る。

エキスができるまで

当社エキスの特徴

エキスの主成分は「ペプチド」

当社エキスは「ペプチド」を主成分としています。「ペプチド」とは、アミノ酸の結合体であるタンパク質が、アミノ酸にまで分解される過程で出来る、複数のアミノ酸がまだ結合した状態のものです。その結合しているアミノ酸の種類とその数によってその性状や特徴は異なります。アミノ酸は20種類以上もあり、その組み合わせを考えると「ペプチド」と呼ばれるものの種類がどれほどあるか想像できると思います。 これら多くのペプチドは、アミノ酸、例えばナトリウム塩の状態で強い旨みが感じられるグルタミン酸ナトリウムのような単純な味とは違い、食品のコク、広がり、厚みといった複雑な味を感じさせます。これらは「おいしい」と感じさせるための必要な要素です。 当社では、原料素材それぞれが持つ自己消化酵素を最大限に利用することで、生成した酵素だけでは創り出せない「おいしさ」を追求しています。

食品への付加価値

当社のエキスを食品へ添加すると、下記のような効果が期待できます。

1.各原料素材の味わいを付与し、風味・うま味・おいしさのサポートをします。
2.苦味・酸味・塩味をマイルドにし、全体の味を整えます。
3.原材料由来のバラツキを抑え、品質を一定に保ちます。
4.嫌な臭いのマスキング効果が期待できます。

自己消化分解へのこだわり

原料素材の特徴を最大限に活かすには、素材が持つものを最大限に利用することが必要となります。そこで、当社では原料素材それぞれが持つ、それぞれ異なる自己消化酵素を利用した商品づくりに努めて参りました。結果として、このこだわりが他社様との差別化となり、創業以来多くのお客様にご使用いただいている要因になっています。自己消化酵素を利用する酵素分解技術は工業的な管理が難しく、当社では今もそしてこれからも、その技術の蓄積に努めて参ります。

生産製品の品質安定へのこだわり

当社は、同じ種の原料でも生きてきた環境や季節、年の異なる天然原料を使用していますので原料素材由来のブレを、商品設計や実生産の中で安定化させることの難しさを知っています。よって、お客様が生産される食品にご使用いただく原料素材のひとつとして、日々、可能な限り安定した商品の提供と、そのものづくりに励んでいます。このような難問に対し、原料受け入れ体制や製造工程管理などの強化を行い、日々商品の安定化を追究しています。

原料素材へのこだわり

自己消化酵素を最大限に利用する為には、いかに鮮度の良い原料素材を使用するかが鍵となります。原料素材の鮮度には、強いこだわりを持っています。

豊富なエキスのバリエーションと、多様化ニーズへの対応

当社は、蒲鉾などの水産練り製品メーカー様へのエキス調味料の供給をスタートに発展してきたこともあり、全国各地の漁業協同組合様や水産加工メーカー様とは長年にわたり親密な取引をさせていただいています。また、事業を拡大させていく中で、多くの商社様や食品加工メーカー様とのお取り引きもさせていただいており、さまざまな業界や原料素材仕入先様への関係が広がりました。その為、幅広い原料素材の調達ルートが確立されており、他社様では調達が難しいような素材も取り扱うことができます。また、原料素材を一から調達しているため、種類はもちろんのこと、組み合わせも自由にでき、よりお客様のご要望に沿ったエキスをご提案できます。